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看護過程の説明で使う事例[大腸がん]

この記事では、看護過程の説明で使用する事例を紹介しています。

事例を紹介する理由は、事例をいくつか統一して看護過程の書き方を説明した方が理解していただける説明ができると考えたからです。

この記事の例題は、基礎と臨床がつながる疾患別看護過程の事例を参考にしています。

解説を除いて文章を作成していますので、看護過程の練習問題としても活用できます。

解説のヒントは、看護過程の書き方が書いてある記事にありますので、書き方の記事を参考にご活用くださいませ。

Tsubasa

例題の紹介に入るよ!

この記事の目次

事例紹介

患者

Aさん 48歳の男性

診断名

直腸がん

背景

会社員で妻と10歳の娘と3人暮らし。

仕事は営業職で,国内外の出張が多く、また中間管理職としても忙しい毎日を送っている。

休日には仲間とゴルフや野球を楽しん
だり、娘とよく遊んだりしている。

妻はパート勤務であり、夫婦、親子の関係は良好である。

娘は父親の病気を理解、応援するために学校の図書館で調べたりしている。

既往歴

3年前より糖尿病を指摘され、食事療法と運動療法でコントロール中。

現症経過

下血を主訴に近医にて大腸内視鏡検査を受け、歯状線より3cmの加位(RB)に半周性の腫瘍を認めた。

手術目的でB病院を紹介され、直腸下部の病巣切除目的で、

①直腸切除術(超低位前方切除術)行い縫合不全予防の目的で一時的に小腸ストーマ(人工肛門)を造設。

②腹会陰式直腸切断術(マイルズ手術)を行い、

永久的ストーマ(人工肛門)造設のいずれかの手術を行う予定であることが説明された。

その後,皮膚・排泄ケア認定看護師からストーマの管理方法と生活について説明を受けた。

それらの説明を受けて手術することを決意し,手術目的で入院となった。

肉眼的血便や貧血の進行、排便困難などの臨床症状はない。

体重増減は糖尿病コントロール目的の食事療法開始後に3kg減少した。

術前の検査などで遠隔転移の所見は認めなかった。

手術において、主病変と断端の距離がわずかであったため、

内門括約筋切除術を伴う超低位前方切除術(ISR)を行い、回腸末端で一時的ストーマを造設する術式となった。

Aさんの情報

がん治療、ストーマ増設に対してどのようなプロセスを経て意思決定したか

●48歳男性
●会社員,営業職、営業地区リーダー

●大学卒業後5年目に別の会社から転職して,現在の
会社勤務20年

●信仰宗教は特になし

●3年前から糖尿病,高血圧で内服治療中

●45歳の妻と10歳の娘と3人暮らし,家族関係は
良い

●80歳代の両親は健在

●自宅はマンションを購入して70歳までローンがある

●妻はパートタイムの仕事をしている

●休日には10歳の長女とよく遊び、娘は、父親であるAさんのことが大好きである

●病状については,近医でほぼ悪性であることを告げ
られていた。

●手術により根治的治療は可能,遠隔転移はない、手術後の補助療法は病理組織結果をみて決定する、直腸切除,内肛門括約筋切除を伴う一時的ストーマ造設の説明を受ける。

●外来で医師から説明を受けた後,皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)からストーマのしくみ,排泄方法、術後セルフケア習得の必要性と社会復帰可能であることの説明を受けた。

●近医での告知を受けてから手術方針の説明を聞くまでは、病状の進行や,それに伴う仕事の継続の可不家族の生活についての不安を持っていた。

●がんの告知後,妻や娘にどの程度伝えるべきか迷った結果、妻には事実を告げたが、娘には告げず、妻が娘に説明した

●母親から説明を受けた娘は,自分でがんやストーマについて調べはじめた

●家族の支えや職場の応援,医療者の説明により、手術を受けてがんを克服すること、社会復帰することを決心した

手術前後の身体症状、侵襲による回復への影響はどの程度か

●肉眼的血便は認めていたものの,貧血の進行はない。
(RBC 457万uL,Hb 16g/dL)

●HbA1cは糖尿病発症時は8.0%であったが、食事療法にて6.2%となった。空腹時血糖98~110mg/dL程度

●手術時間は5時間,全身麻酔と硬膜外麻酔

●手術は腹腔鏡下手術で,術中出血量は200mL

●腹腔鏡挿入部の創は3か所に各々 1cm程度の縫合創であり,スキンボンドで閉鎖している。ドレーンは骨盤底に挿入している
●回腸末端30cmの部位でストーマを造設,回腸ストーマの排便量は, 術後1~3日はブリストルスケール(以下BS)7で1日1,500mL前後の排便食事形態の固形化、止痢薬、整腸薬によりBS (6C)1日600~800mLに減少

Tsubasa

ブリストルスケールはこのサイトで確認してね!


●ストーマの色調は鮮紅色で良好であり、循環障害兆候なし,粘膜皮膚接合部は癒合状況は良好

●腸管吻合部は腹痛などの縫合不全の徴候なし。

ストーマのセルフケア習得を促進するための情報

●入院前に外来で医師から術式の説明があり、直腸の切除を行うこと,それに伴い一時的または永久的なストーマを造設すると説明がされている

●医師の説明後,さらにWOCNからストーマ造設の必要性とストーマの形態機能的特徴,セルフケア習得の必要性,退院後の日常生活について詳細な説明がなされている。

これにより必要性を理解し,治療のためにストーマ造設を含む手術を決意した.まだ不安はあるが、ある程度のイメージができて入院となった。

●娘は10歳と小さく,家族のためにも長期生存,社会復帰を望み、治療に対する意欲は強い

●術式は,腹腔鏡下で内肛門括約筋切除を伴う超低位前方切除術(ISR) と回腸双孔式ストーマ造設術となった

●手術時の組織の病理診断では進行性が低く,術後の補助化学療法は行わず3か月程度でストーマの閉鎖を予定している

●腹腔鏡下の手術により,身体侵襲は少なく,創部痛は鎮痛薬でコントロールできる程度であった。

したがって、手術翌日より歩行,水分の経口摂取が可能となった

●術前から回復やセルフケア習得の必要性が理解できていたため,術後1日目のストーマ装具交換の時から指導を開始した。

看護師が行う装具交換とストーマを直視することができた

●術後1日目の装具交換時にストーマを見て、「聞いてたとおり、梅干しみたいですね、これが腸なのか……不思議な感じ」と直視して感想を述べた。妻も同席して熱心に観察した

●ストーマの部位は回腸で、サイズは最大径で縦30mm, 横28mm,高さ20mm,基部径は 縦28mm,横27mm,口側排泄口の高さは15mm

●術後1日目から水様便の排泄が始まった

Tsubasa

ストマの種類も合わせて勉強しよう

退院後の生活に対する不安と心配事

●術後1日目から排泄が始まり,術後2日目には、看護師の指導を受け、ストーマ装具から便を破棄する方法を習得し自立した

●術後1日目に初回装具交換時から指導を開始

隔日に装具交換の指導を進めることで術後1週間には装具交換の技術を習得し,術後8日目に退院した。

●退院後の心配事,不安内容を尋ねると、職場で漏れたりしないか静かなところでのガスの音などが心配であり、その他はあまりイメージがつかないが何とかなるだろう,と答える

●妻,娘はすぐに仕事に戻っても大丈夫なのか,がんが再発する確率はどの程度かと心配している。

●手術した病院ではストーマ外来が開設されており、
退院後1か月前後にストーマ外来の予約がある

●ストーマ装具販売店やストーマ装具の企業が行っているカスタマーサポートについての説明を受けている

●患者会の説明も受けているが、数か月でストーマを閉鎖する予定であることから,参加しないと決断した

●職場に対して入院前にがんであることを伝えているが、ストーマについては知らせておらず、退院後に知らせるかどうか迷っている

ABOUT ME
tsubasa
看護学生お助けサイトMasupi Blogを運営中。北海道在住21歳。看護学生として多忙な生活を送りながら色々な事に挑戦しています。
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